西水美恵子さん講演「私たちの国づくりへ――雷龍の国ブータンに学ぶ」

5月22日、神戸市にて開催された『国をつくるという仕事』著者・西水美恵子さん(元世界銀行副総裁)の講演会に行ってきました。 

株式会社フェリシモが主催する「神戸学校」での講演です。神戸学校とは、神戸市に本拠を置くフェリシモが、阪神淡路大震災後の97年から復興支援プロジェクトとして始めた“生活デザイン学校”。各界で活躍するゲストを招き、毎月1回開催、これが157回めの開催でした。13年間も継続されており、すばらしい取り組みだと思います。企画?運営はすべてフェリシモの若手社員の方々が行っています。書籍販売等、とても親切で明るいご対応をいただきました。

晴天に恵まれた土曜日、総合運動公園駅はスカイマークスタジアムでの阪神×オリックス戦に訪れた大勢の野球ファンで大賑わいでしたが、それにも負けずに賑わっていたのが、駅の反対側に位置するエスパスフェリシモホールでした。参加申込は早くから満席で、神戸市内だけでなく京都や大阪、岡山、福岡、そして東京からお越しの方も何人もいて、びっくりしました。

講演テーマは「私たちの国づくりへ――雷龍の国ブータンに学ぶ」。西水さんが世界銀行での23年間で「最も学ぶことが多かった国」というブータンの名君、ジグミ・シンゲ・ワンチュク前国王(雷龍王4世)のエピソードを交えながら、ほんとうの豊かさとは何か、幸せとは何か、それを実現するために私たちは「国づくり」をどう考え行動するべきなのかをお話されました。

西水さんの著書『国をつくるという仕事』は、発売から一年以上を経ていますが一貫して好調です。それは今日の日本において、かつてないほど切実に「国をつくるという仕事」が求められていることを示しているのかもしれません。来場者のものすごい熱気、これがこの人数から起こるのかと驚くほど激しく鳴りひびく拍手。

印象的だった話を一つ。雷龍王4世に対して西水さんが「ブータンの国王を退位したら、今度は日本のリーダーになってほしい」と冗談を言ったところ、国王はこう仰ったそうです。


「リーダーに頼る国づくりは脆いよ。国づくりは国民一人ひとりの仕事だ」
国づくりは人づくり。その要は、だれもが秘めているリーダーシップを発揮することに尽きる、と西水さんは著書のなかで記しています。『国をつくるという仕事』は、一握りの人々のものではなく、私たち一人ひとりの仕事なのだと西水さんは説きます。そのために、「自分のしていることをどうとらえるか」を考えなさい、と。

It is not WHAT you do, but HOW you think about what you do, that changes the world.
終了後のサイン会も大盛況。ちなみに会場では72冊も本が売れました。新刊ではない本が講演会場でこんなに売れるのは珍しいです。大展開してくださったスタッフの皆さんに感謝。

西水さん、今回も素晴らしい講演をありがとうございました。おつかれさまでした。フェリシモの皆さん、お世話になりました。来場者の皆さん、ありがとうございました。ブログやTwitterなどで西水さんのメッセージを広めてくださっている方々にもお礼申し上げます。なお、Twitterでのハッシュタグは#nishimizu、弊社のgan-chanがまとめたTogetterのページはこちらです。