ポラリスプロジェクト訪問

今日の午後は、人身取引や性的搾取、児童虐待などの問題に取り組むポラリスプロジェクト日本事務所を訪問してきました。

人身取引や性的搾取の問題について、最近よく見聞きするようになった方も多いと思います。映画『闇の子供たち』や『セックス・トラフィック』、また最近の東京都による児童ポルノ規制条例案などにより、世間の関心がますます高まっているテーマです。このような問題が日本にも存在することを知ると最初は驚くかもしれませんが、「存在する」どころか「はびこって」います。

日本は人身取引の最終目的地となっており、現在も数万人の女性や子どもたちが業者によって来日し、違法な性産業に強制従事させられるなど多くの被害が生じています。また日本人の被害も深刻化しており、児童の性的搾取だけでも昨年度は5,000人以上の被害が報告されたとのこと。そしてこれらに対する取り組みは、行政的にも社会的にもまだまだ不十分な状況のようです。

ポラリスプロジェクトは2002年にアメリカで生まれ、2004年に日本事務所が設立されました。被害者のための相談ホットラインや直接的な支援の提供、啓発・アドボカシー活動など、幅広い取り組みを続けています。

今日は代表の藤原さんに最近の問題意識や活動状況についてお話をうかがい意見交換してきました。この問題は「貧困」にも密接に絡んでいますし、日本社会におけるある種の文化や、また教育や家庭環境や地域社会のあり方にも関わっています。言いかえれば、放置すれば社会全体にきわめて根深い影響をもたらしていく問題だと感じます。問題解決のために何が必要か、自分たちに何ができるかを話し合いました。

国内におけるこの問題に関連する本として、藤原さんから、鈴木大介さんの著書『家のない子どもたち』(宝島社)と『出会い系のシングルマザーたち』(朝日新聞出版)をご紹介いただきました。また、5月30日(日)に、JICA横浜にて「児童ポルノ法改正を求めるシンポジウム」が開催されます。ご関心のある方は下記ご参照ください。まずは関心を持つことから、だと思います。

児童ポルノ法改正を求めるシンポジウムのご案内

家のない少女たち 10代家出少女18人の壮絶な性と生

出会い系のシングルマザーたち―欲望と貧困のはざまで