ライ麦畑でつかまえて

まちがいなく20世紀最高の作家の一人、の訃報。91歳だったとのこと。長生きしたんだなーと思いますが、31歳のとき『ライ麦畑でつかまえて』を書き、46歳で最後の作品を発表した後は孤立した謎の生活を続けておられました。『ライ麦畑』の60年間の累計部数は全世界で6,000万部以上だそうです。

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて』は読者のその後の生涯にわたって深い影響を与え続けてしまう、ものすごくパワフルな小説だと思います。発禁処分になったり、いろいろといわくつきの本ですが、この本に眉をひそめる大人にはなりたくない。一度読んだら忘れられないこの名作は、今後も世界中の読者を魅了していくでしょう。ライ麦畑でダークサイドに落ちないように、それぞれ大切なものをつかまえる心を忘れずにいたいものです。

なお、これから読んでみるという人には野崎孝氏の名訳(上掲。白水社刊)をお薦めします。