一週間

先週は体調不良でなかなか仕事が進まず大変だったがどうにか乗り切った。頻繁な頭痛は昔からだけど、九州生まれ&夏生まれのくせに夏の暑さに対する耐性が弱ってきた気がしてならない。齢28にして既に老い始めたか。27歳で『晩年』を書いた太宰治をふと思い出す。

太宰といえば、太宰治こと本名・津島修治の長女の夫である衆議院議員津島雄二氏が政界を引退するらしい。津島派自民党の第二派閥だ。そのトップが退く。時代は変わる。日本も変わる。かつて「降る雪や明治は遠くなりにけり」(中村草田男)という句があったが、それに倣って一句。

  空梅雨や昭和は遠くなりにけり

もう梅雨明けしたけど。平常ならざる気象は平成の世の混沌を空が映したかのようではないか。

月曜日、海外の社会起業などに詳しいマニアックなIさんとその友人のSさんと3人で食事。米国のビジネススクールを出て帰国したSさんは、これからアフリカに渡って現地の金融機関でマイクロファイナンスの実務に携わるとのこと。ソーシャルキャピタルマーケットやオバマ政権などについて話した。いろいろと勉強になった。

火曜日、Tさんと会った。仕事の話そっちのけで2時間、これからの資本主義経済のあり方やソーシャルビジネスの世界的な潮流やその考え方、捉え方について話した。いま進みつつある時代の大きな変化は、行動の変革であるとともに思想の変革でもある。行動するのは大変なことだし重要なことだ。それに比して、思想することの大変さを知る人は少ない。だが思想は行動の起点になる。Tさんのようにじっくり思想している人の存在は重要だ。

水曜日、朝は病院に行き、午後は別のTさんに会ってBOPの話をして、体調を言い訳にして仕事を早々に放り出し、その割には元気を装って小曽根真さんのライブ@ブルーノートに行った。小曽根さんのライブにはよく行っている。今回はビッグバンド。アルバム「ジャングル」は事前に何度か聴いていたのだけど、やはり生で聴くほうがビッグバンドは数段良い。即興と冗談も相変わらずで楽しいライブだった。今月からうちでアルバイトをしているHさんも来ていて会場でばったり会った。こういう所で知っている人に会うと妙に楽しい。

木曜日、朝から丸の内の某社でミーティングをして、午後はI先生とミーティングをして、某研究会のミーティングをして、某学生団体の人たちとミーティングをして、月曜日に続いて偶然やって来たIさんとミーティングをして、夜は会社の企画会議をした。

金曜日、この日がデッドラインの仕事を朝から淡々と続けた。夜までかかってどうにか攻略。いつものことながら夏休み終わりごろの子供のような生活だ。ともかく宿題を終えてほっと一息、それとほぼ同時にOさんから新案件の原稿が届き、またほぼ同じタイミングで某社のNさんからも書き終わりました!の喜びの報告とともに原稿が届いた。とりあえず返信。じっくり読むのは来週にしよう。それから新人Y君とカドヤで一時間ほど飲んで帰った。

たまには日記っぽいことを、と一週間を振り返ってみたらそんな感じ。「日曜日に市場へ出かけー」で始まる「一週間」という歌があったなあ。なぜ日曜日なのか、日曜日には市場は閉まっていないのか、疑問である。ともかく、そんな感じの一週間だった。読んだ本は、星野道夫ノーザンライツ』、小林よしのり『日本を貶めた10人の売国政治家』、池田晶子『残酷人生論』。うちの新刊も出きたので改めて読みたい所だが。やるべきことは山積み。相変わらず夏休み末期の気分。