研修講師

日曜日、昨年末に引き続いてMPIの研修で学生たちにリーダーシップの講義をした。前回は福岡の学生たちだったが今回は京都・東京の学生たちも含めて。場所は代々木のオリンピックセンター。一連の研修の最後のセッションで皆お疲れのところだろうから気楽にやろう、眠い人はどうぞ眠ってくれ、と思っていたのだが。皆ちゃんと聞いてくれた。

年々、学生たちとの年齢差は開いていくし世の中も変わるから、自分の言葉が彼らにどれほど通用するのか今一つ自信がない。同世代でも言葉が通じない人はいるし。だから話す内容をどうするかずいぶん悩んだ。そもそもリーダーシップについて自分が語ること自体に違和感もあるし。ただ、実際、リーダーシップを発揮することとリーダー(という立場)であることは違う。これは個々人誰しもの問題となりうるテーマなのだ。というわけで、できるだけ身近に引きつけてリーダーシップを考えられるよう、自分の学生時代の話や職場での体験などを交えてお話ししてみた。

同じ言葉について私がイメージするものと彼ら一人ひとりがイメージするものが同じとは限らない。当然違いも生じる。話していることの抽象度のレベル感がうまく伝わらないこともある。ことに昨今の世の中では、ストレートに響かない言葉は「わかりにくい」とも言われうる。わからないのは自分のせいだ、とは考えずに、わかりにくい、と文句を言う人が増えているのだ。わかりやすい言葉だけではそのレベルのことしか伝えられないという当然の事実にも気付かずに。受け身のお勉強の弊害だろう。そんな不安もあったが、「わからなければ考えてね」と言っておいたところ、だいたい皆、考えながら聞いてくれたらしい。質疑応答でのやり取りでそれを感じた。

リーダーシップの話は、私の場合、スキルの話には決してならない。それはむしろ世界の見方、人間の生き方、存在のとらえ方、みたいな話になる。要するにリーダーシップというお題で勝手に自分の喋りたいことを喋ってきたというわけで。なかなか楽しかった。ためになったかどうかは知らん。得るも得ざるも聞き手次第。