チック&ひろみ「デュエット」

前のブログに書いたことなのですが、こればかりは書いておかなければ。
チック・コリア上原ひろみさんの昨年のブルーノート東京でのライブがCDになりました。

デュエット(初回限定盤)(DVD付)

2枚組みで初回限定盤にはDVDもついています。

私はこの上原ひろみさんのピアノが、数ある音楽の中でも最も好きで、これまでに出された4枚のアルバムを日常的に聴いています。会社でもときどきかけています。その上原さんと世界の巨匠チック・コリアの夢の協演。すばらしいの一言。最高です。

ところで、この上原ひろみさんを私は人間的にも非常に尊敬しています。上原さんのこれまでの軌跡を記した本やブログやホームページに載っている文章や音楽雑誌のインタビュー記事を読むたびに、その思いを強くします。

通常、ジャズのアルバムでは、いわゆるスタンダード曲、有名な曲をその人なりのアレンジで弾いたものが何曲か入っているものですが、上原さんは自分自身で作曲した曲しか自分のアルバムには入れません。オリジナル曲を弾くことにこだわっている。アルバムのコンセプトを一貫させる、アーティストの感性や価値観を貫くという点で、これはすごいことだし、価値あることだと思います。

デビュー間もない頃など特に、レコード会社の方から「スタンダード曲を入れてほしい」という要望を受けることが多々あったそうです。その方がお客さんは手に取りやすくなるから。売れやすくなるから。しかし、上原さんは断り続けた。デビュー当時の23歳のときに、大手レコード会社の要求を断った。それについて、上原さんはこういう発言をしています。

「自分が納得できない作品ならば、つくらないほうがまだましです。でも、会社やスタッフが最終的に納得してくれる作品をつくる自信は、いつもあります」(『上原ひろみ サマーレインの彼方』より)

とても良い言葉だと思います。上原さんは28歳。私と同年代です。まさに雲の上の、世界も違う人ですが、ファンとして応援するとともに、ある意味、自分の目標にもしていきたい。皆が納得できる良い本をつくっていきたいと思います。