ソウル出張

韓国に三日間出張してきました。子会社Eiji 21の財務ミーティングと企画会議、現地での印刷に関する打ち合わせなどが主目的です。

韓国の書籍印刷は日本よりもかなり低いコストでできる(特にカラー印刷)上に、加工技術も優れていて、日本の本よりも凝ったデザインの本が多い。たとえば韓国の本は大抵、本文が2色刷り(日本はスミ1色が普通)で、カバーはUV加工やホイル加工、PPを複数使ったり、帯を斜めに切ったり、総じて日本の本よりも手が込んでいます。日本だと文芸書ではそういう本も時々見ますが高くつく。しかし電子書籍も増えつつある中、所有する喜びという価値を高める上で本のデザインは今後ますます重要になりえます。

そういうわけで、韓国の印刷・加工技術の詳細とコスト、使用する際の手順や注意点などを知るために業者を回りました。入稿や製版の仕方なども日本とは違うため一度実地で見る必要を感じていたので。やはり実際に見ることは大事です。現地スタッフとの手順の確認もでき、今後適宜活用していきたいと考えています。

また、出張のついでに、韓国の有名な社会的企業Haja Center主催のネットワーキングイベントに参加しました。ハジャセンターはソウル市と延世大学が1999年、若年雇用問題への対策として設立した青年センター。職業訓練や、アートやデザインなど文化芸術活動を通じた青少年の育成、社会的事業のインキュベーションなどを行っています。イベントではハジャセンターから生まれた6つの社会的企業の活動を紹介するプレゼンテーションがありました。音楽の演奏などもあって楽しかった。

ハジャセンターの方々との飲み会にも混ぜてもらいました。メンバーの若者たちにはEiji 21で出している社会起業関係の本のシリーズ「Social Shift Series」をよく読んでくれている人が多く、日本で10月に出した『世界を変えるデザイン』を日本語で読んでいる人もいました。日本語ができる人が多くてびっくりです。「どこで覚えたの?」と聞くと「日本ドラマと音楽」。椎名林檎とか「ハケンの品格」とか、ドラマやアーティストの名をいろいろ挙げてくれました。私も韓国語を勉強しようと思います。

辛い物ばかりの三日間でしたが楽しかったです。ソウルに着いたときひどかった頭痛も唐辛子のおかげで治ったし。Eiji 21の皆も元気だったし。贅沢な出張をさせてもらいました。